




住み慣れたまちで住み続けるために
密集エリアのまちづくりに防災街区整備事業を採用
上十条一丁目4番地区は、東京都北区の中央部に位置する約0.2haの区域で、JR埼京線「十条駅」より東に徒歩4分、住宅市街地整備事業(十条駅東地区)内にあるエリアです。当地区は老朽木造家屋が多くを占め、地震による倒壊や道路の閉塞、火災の発生・類焼の危険性が高いことに加え、道路が狭く延焼遮断機能に課題がありました。さらに土地の細分化と建物の密集が進行した結果、日照・通風を確保できないという住環境上の問題が発生。また都道455号(補助線街路第85号線)の拡幅が決定していたものの、用地取得の見通しが立てられない状況でした。これらを解決するため、北区は2019年8月に防災街区整備事業の都市計画を決定。地権者は事業組合を2020年3月に結成し事業に取り組みました。当社は事業コーディネート、再開発コンサルタントおよび設計・監理を担当しました。
延焼遮断帯の創出と権利者の生活再建を両立
かつて当地区で、等価交換事業による共同建替えが検討された時期があります。しかし、任意事業の実現性は不確実であること、建替え後の用地買収で建物が既存不適格になるという問題がありました。そこで、密集法に基づく防災街区整備事業により資産を権利変換で置き換え、行政から公共施設管理者負担金と補助金を得て事業費に充当することが企画されました。これにより確実な事業推進が可能となり、権利者の生活と財産を守りながら、防災道路の用地を確保することができました。
概要
施行地区
約0.2ha
用途
共同住宅・店舗
延べ面積
4,671.66m²
構造・規模
RC造地上11階
竣工
2023年
担当業務
事業コーディネート
再開発コンサルタント(都市計画、資金計画、権変計画、補助対応等)
計画・設計(基本構想、基本計画、基本設計、実施設計、工事監理)