平林フローティングハウス

平林フローティングハウス

名称

平林フローティングハウス

所在地

大阪市住之江区

用途

その他

延べ面積

106.35㎡

構造・規模

木造地上2階

建築主

(株)シーアルイー、岩田土地(株)、大阪木材土地(株)

施工

(株)西田工務所

竣工

2003年3月

担当業務

設計・監理

備考

第3回世界水フォーラム「水のEXPO」出展作品

水都大阪にふさわしい水面利用のあり方を、水に浮かぶ建築で提案

<企画の背景>

平林貯木場(大阪市住之江区)の土地及び水面は、区画整理事業によって換地を受けた民間所有者が大半を所有しています。近年、原木貯木場としての利用が著しく減少し、活性化に向けた議論が高まる中で、水都大阪の再生の一助となるような、斬新な水面利用のあり方が模索されてきました。

このような背景のもと、水面に浮く実験建築「平林フローティングハウス」が企画され、貯木場1号貯木池内に竣工しました。本作品は、2003年3月に開催された第3回世界水フォーラムの「水のEXPO」に出展されました。

<建築の概要>

建物は木造2階建て、延床面積106.35㎡で、SOHO的な事務所空間をイメージしています。木材の町平林を意識し、外壁仕上げはレッドウッド貼りとしています。
建物基礎部分(フロート)は高密度のポリスチレン(EPS)を核に外側を鉄筋コンクリートで包んだもので、フロートの高さは1250mm、このうち800mmが水中にあり浮力を生じています。この浮力を利用して、基礎部分の重量約40ton、上部建物重量約30ton、合計約70tonの建物を浮かせています。また、直径300mmの鋼管杭にフロートをフレキシブルにジョイントすることで、建物の横流れを防止すると共に、潮位変化(干満差約1.2m)に対応しています。

建物の構造設計を行うにあたって、水平力は地震力と台風時の風圧力を採用しています。水面自体に免震構造に近い効果があるため、直接地震の影響を受ける事はありません。
設備関係では、陸地からの引き込みをフレキシブルジョイントにより処理しています。排水はフロート内部のピットに水中ポンプを2台設置し、陸地の本管まで圧送しています。建物内の厨房、温水器等は電化対応としました。