1981年築の５階建36戸の区分所有マンションが、神戸市初となるマンション建替え円滑化法に基づく建替事業によって、生まれ変わりました。
当社は事業コンサルタントとしてのみならず、建替診断及び設計監理担当としても参画しました。その結果、所有者の様々な要望を反映した精度の高い事業計画を短期間で作成することができ、円滑な合意形成、満足度の高い再入居へとつながりました。

「六甲の景観」と「旧マンションの歴史の継承」をデザインテーマとしました。
六甲山で産出する御影石を、景石としてアプローチの植栽や中庭に配置しました。また、地域固有の景観である御影石積みの擁壁を、外壁のモチーフとしました。
低層部のバルコニーはタイル貼り手摺とガラス手摺を使い分け、旧建物のシルエットを表現しました。
旧建物の名称「宮前グリーンハイツ」は、緑豊かな六甲八幡神社に由来していました。参道の樹木のシルエットをエントランスホールの光壁の意匠とすることで、地域景観と旧建物への敬意を表現し、良好なコミュニティーが引き継がれ成長するよう願いを込めました。